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Japanische Klassiker mit Furigana

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はるはばしゃにのって

機械・春は馬車に乗って

横光 利一

Lesen Sie 機械・春は馬車に乗って (はるはばしゃにのって) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.492 Zeichen · 156 Bildschirme

Aozora Bunko

と梶は頬杖(ほおづえ)つきながら思わず洩(もら)した。すると、ヨハンはまたすぐその喇叭手を手招ぎした。喇叭は楽器を椅子の上へ置き残したまま席へ来ると、ヨハンは彼にまた梶の洩したことを話してみたらしく、

「やはりあなたの云われたようでした」

そう云って笑った。ホールはますます高潮して来た。いつの間にか踊る客らの数も増して来ていて、いっぱいにさざめき廻る渦は乱舞に近く、梶はハンガリヤ狂躁曲(きょうそうきょく)もこうした興奮の旅情から描かれたものかもしれないと思ったりした。そのうち、餅(もち)の殻が各席に配られると、客らはそれを手ん手に掴(つか)みあたり介意(かま)わず投げつけ合った。それまで静にしていたヨハンも大きな体を乗り出させて、ホールの渦を目がけて手あたり次第に投げつけては笑った。その彼の様子には、大学校教授の少年の日の腕白さがふと丸出しに顔を出し、梶も愉快で餅殻をヨハンと一緒に投げつけるのだった。

「もっとやりなさい。もっと」

と、ヨハンは餅殻をかき集めては彼にすすめて立ち上った。遠くで殻を巧みに受けとめた客は、それをまた投げ返したり、爆(はじ)け散り飛ぶ中で身を竦(すく)めたりした。