Japanische Klassiker mit Furigana
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はは
母
Lesen Sie 母 (はは) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.223 Zeichen · 15 Bildschirme
別に確証があっての事ではない。ただふっとそんな気がしただけの事で、もし間違ったら、彼におわびの仕様も無いほど失礼な質問をしてしまった事になる。
その夜は、所謂地方文化の粋を満喫した。
れいのあの、きれいな声をした年増の女中は、日が暮れたら、濃い化粧をして口紅などもあざやかに、そうしてお酒やらお料理やらを私どもの部屋に持ち運んで来て、大旦那の言いつけかまたは若旦那の命令か知らぬが、部屋の入口にそれを置いてお辞儀をして、だまってそのまま引下ってしまうのである。
「君は僕を、好色の人間だと思うかね。どうかね。」
「そりゃ、好色でしょう。」
「実は、そうなんだ。」
と言って、女中にお酌でもさせてもらうように遠まわしの謎を掛けたりなどしてみたのであるが、彼は意識的にか、あるいは無意識的にか、一向にそれに気附かぬ顔をして、この港町の興亡盛衰の歴史を、ながながと説いて聞かせるばかりなので、私はがっかりした。
「ああ、酔った。寝ようか。」
と私は言った。
私は表二階の、おそらくはこの宿屋で一ばんよい部屋なのであろう、二十畳間くらいの大きい部屋のまんなかに、ひとりで寝かされた。