Japanische Klassiker mit Furigana
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きまぐれのにんぎょうし
気まぐれの人形師
小川 未明
Lesen Sie 気まぐれの人形師 (きまぐれのにんぎょうし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.963 Zeichen · 10 Bildschirme
娘は、北の寒い国に帰ってからも思い出して、なつかしむにちがいありませんでした。
町の中を歩いている娘は、ただこのとき、汽笛の音を耳に聞いたばかりです。それは、港に停まっている汽船から吹いた笛の音であります。彼女は、この笛の音を聞くと、これから帰る故郷の景色を目に描きました。そして、考えました。
「まだ、私の国は寒いだろう。しかし、じきに春になる。そうすれば、花も咲くし、いろいろの鳥がやってくる!」
こう思いますと、やはり、胸の中の血潮は躍ったのであります。いろいろの鳥は、この町の空に、また林の中に鳴いていました。しかし、この小鳥も、いつかは、あの北の方の、彼女の故郷の方へ飛んでゆく日があるのだと思うと、娘は、これらの小鳥を自分の家の裏にある林の中で、ふたたび見る日を楽しみとせずにはいられませんでした。
「私は、なにをお土産に買って帰ったらいいだろうか。」と、娘は、この町で製造されるいろいろな品物や、また、お菓子のようなものを買い集めました。そして、また、いつまでも自分が記念にして、しまっておくようなものが、なにか見つからないものかと思って、町の両側をながめながら歩いていました。