Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かはくれいじょう

河伯令嬢

泉 鏡花

Lesen Sie 河伯令嬢 (かはくれいじょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.763 Zeichen · 68 Bildschirme

Aozora Bunko

二度も三度も折重って、摺り落ちて、しまいには、私がどしんと尻餅を搗くと、お優さんは肩に縋った手を萎えたように解いて、色っぽくはだけた褄と、男の空脛が二本、少し離れて、名所の石に挫げました。

溜息吐いてる、草の茂を、ばさり、がさがさと、つい、そこに黒く湧いて、月夜に何だか薄く動く。あ、とお優さんは、媚かしい色を乱して裾を縮めました。おや、鼠か、田鼠か。――透かして見ると、ぴちぴち刎ねるのが尾のようで……とにかく、長くないのだから、安心して、引つかまえると、

(お魚よ、お魚よ。)

(鮒のようだ。)

掌には、余るくらいなのが、しかも鰓、鰭、一面に泥まみれで、あの、菖蒲の根が魚になったという話にそっくりです。

これで首くくりは見合わせて、二人とも生きる事になりました。ちょっと、おめでたい。

両方で瞳を寄せるうちに、松の根を草がくれの、並木下の小流から刎出したものではない。昼間、竜巻の時、魚が降った、あの中の一尾で、河北潟から巻落されたに違いない。昼から今に到るまで、雲から落ちながらさえ、魚は生命を保つ。そうしてこの水音をしたって、路の向うから千里百里の思をして、砂を分けて来たのであろう。