Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かっぱ

河童

芥川 竜之介

Lesen Sie 河童 (かっぱ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.576 Zeichen · 75 Bildschirme

Aozora Bunko

五

が、僕は笑うどころか、あわててある河童をつかまえようとしました。それは僕の油断を見すまし、その河童が僕の万年筆を盗んだことに気がついたからです。しかし皮膚の滑らかな河童は容易に我々にはつかまりません。その河童もぬらりとすべり抜けるが早いかいっさんに逃げ出してしまいました。ちょうど蚊のようにやせた体を倒れるかと思うくらいのめらせながら。

五

僕はこのラップという河童にバッグにも劣らぬ世話になりました。が、その中でも忘れられないのはトックという河童に紹介されたことです。トックは河童仲間の詩人です。詩人が髪を長くしていることは我々人間と変わりません。僕は時々トックの家へ退屈しのぎに遊びにゆきました。トックはいつも狭い部屋に高山植物の鉢植えを並べ、詩を書いたり煙草をのんだり、いかにも気楽そうに暮らしていました。そのまた部屋の隅には雌の河童が一匹、(トックは自由恋愛家ですから、細君というものは持たないのです。)編み物か何かしていました。トックは僕の顔を見ると、いつも微笑してこう言うのです。(もっとも河童の微笑するのはあまりいいものではありません。少なくとも僕は最初のうちはむしろ無気味に感じたものです。