Japanische Klassiker mit Furigana
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かっぱ
河童
Lesen Sie 河童 (かっぱ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.576 Zeichen · 75 Bildschirme
――」
ラップはやっと頭をあげ、悲しい鼻声を出しました。
「僕はきょう窓の外を見ながら、『おや虫取り菫が咲いた』と何気なしにつぶやいたのです。すると僕の妹は急に顔色を変えたと思うと、『どうせわたしは虫取り菫よ』と当たり散らすじゃありませんか? おまけにまた僕のおふくろも大の妹贔屓ですから、やはり僕に食ってかかるのです。」
「虫取り菫が咲いたということはどうして妹さんには不快なのだね?」
「さあ、たぶん雄の河童をつかまえるという意味にでもとったのでしょう。そこへおふくろと仲悪い叔母も喧嘩の仲間入りをしたのですから、いよいよ大騒動になってしまいました。しかも年中酔っ払っているおやじはこの喧嘩を聞きつけると、たれかれの差別なしに殴り出したのです。それだけでも始末のつかないところへ僕の弟はその間におふくろの財布を盗むが早いか、キネマか何かを見にいってしまいました。僕は……ほんとうに僕はもう、……」
ラップは両手に顔を埋め、何も言わずに泣いてしまいました。僕の同情したのはもちろんです。同時にまた家族制度に対する詩人のトックの軽蔑を思い出したのももちろんです。僕はラップの肩をたたき、一生懸命に慰めました。