Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほうねんぎょうでん

法然行伝

中里 介山

Lesen Sie 法然行伝 (ほうねんぎょうでん) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.110 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

深い義理があるなんぞと思ってはならぬ。それでも念仏というものは極くたやすい行いだから、申す人は多いけれども、往生が出来る者の少いのは古実を知らないからだ。そうだ先月のこと、ここには誰れも居らないで、お前とわしとただ二人きりいたことがある。その夜中わしはそっと起きていて念仏をしていたのをお前は聴かれたか」

といわれたから、四郎は、

「いかにもそれは承りました。寐耳によく覚えて今日まで不思議に思って居りました」

法然「それこそやがて本当の往生の念仏だ。総て虚仮といって飾る心で称える念仏では往生は出来ない。飾る心がなくして、真の心で申さねばならぬ。子供だとか動物だとか云うものの前では飾って見せる心はないけれども、世間並の人に向えばどうしても飾る心が起るものだ。誰れとて人間として人間の中に住んで居ればその心のない者はない。そこで夜更けてから見る人もなく、聴く人も無い時、そっと起きていて百遍でも千遍でも心任せに申した念仏は飾る心がないから仏の意にも相応して本当の往生が出来るというものだ。それでその心持さえ出来れば、何も夜と限ったものではない。いつでもその飾らぬ心で念仏を申すがよい。