Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうねんぎょうでん
法然行伝
中里 介山
Lesen Sie 法然行伝 (ほうねんぎょうでん) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.110 Zeichen · 131 Bildschirme
何れを何れとしていいか分りません。弓矢の家業も捨てず、往生の願いもとぐる道があらば願わくは一言を承りたいものでございます」
法然答うるよう、
「弥陀の本願というものは、機の善悪を云うのではない。行いの多少を論ずるのではない。身の浄不浄を選ぶのでもない。時と処と縁とによらず、罪人は罪人ながら名号を称えて往生するというところが本願の不思議というものだ。弓箭の家に生れたものが仮令軍陣に戦い、命を失うとも念仏さえすれば本願に乗じ、来迎にあずからんことは疑いないことじゃ」
と細かに説いて聞かせられて忠綱は大いに喜び、
「それで悟りがひらけました。忠綱が往生は今日定まりました」
と喜んで法然から袈裟を貰い、鎧の下にかけて、それより八王子の城に向い、命を捨てる覚悟で戦ったが、太刀が打ち折れて自分は重傷を負うたものだから、もうこれまでと刀を捨てて合掌し、高声に念仏をして敵の手に身を任せてしまった。その時紫の雲が夥しくあたりに棚引いたそうである。その時法然は叡山の方に紫の雲が棚引いたという報せを聞いて、
「ああそれでは甘糟が往生したな」
といわれた。甘糟が国に残して置いた妻室が夢に忠綱が極楽往生をとげたという告げを聞いて驚いて国から飛脚をたてたが、京都からの使者と途中で行き会うて忠綱が戦場最期の有様を物語ったということである。