Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうもんのおおいりょうりてん
注文の多い料理店
Lesen Sie 注文の多い料理店 (ちゅうもんのおおいりょうりてん) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.269 Zeichen · 223 Bildschirme
月のあかりがぱっと青くなりました。
「おまえのうたは題はなんだ。」画かきは尤もらしく顔をしかめて云いました。
「馬と兎です。」
「よし、はじめ、」画かきは手帳に書いて云いました。
「兎のみみはなが……。」
「ちょっと待った。」画かきはとめました。「鉛筆が折れたんだ。ちょっと削るうち待ってくれ。」
そして画かきはじぶんの右足の靴をぬいでその中に鉛筆を削りはじめました。柏の木は、遠くからみな感心して、ひそひそ談し合いながら見て居りました。そこで大王もとうとう言いました。
「いや、客人、ありがとう。林をきたなくせまいとの、そのおこころざしはじつに辱けない。」
ところが画かきは平気で
「いいえ、あとでこのけずり屑で酢をつくりますからな。」
と返事したものですからさすがの大王も、すこし工合が悪そうに横を向き、柏の木もみな興をさまし、月のあかりもなんだか白っぽくなりました。
ところが画かきは、削るのがすんで立ちあがり、愉快そうに、
「さあ、はじめて呉れ。」と云いました。
柏はざわめき、月光も青くすきとおり、大王も機嫌を直してふんふんと云いました。
若い木は胸をはってあたらしく歌いました。