Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

ト思い決めて今将に口を開かんとする……折しも縁側にパタパタと跫音がして、スラリと背後の障子が開く、振反ッて見れば……お勢で。年は鬼もという十八の娘盛り、瓜実顔で富士額、生死を含む眼元の塩にピンとはねた眉で力味を付け、壺々口の緊笑いにも愛嬌をくくんで無暗には滴さぬほどのさび、背はスラリとして風に揺めく女郎花の、一時をくねる細腰もしんなりとしてなよやか、慾にはもうすこし生際と襟足とを善くして貰いたいが、何にしても七難を隠くすという雪白の羽二重肌、浅黒い親には似ぬ鬼子でない天人娘。艶やかな黒髪を惜気もなくグッと引詰めての束髪、薔薇の花挿頭をしたばかりで臙脂も甞めねば鉛華も施けず、衣服とても糸織の袷衣に友禅と紫繻子の腹合せの帯か何かでさして取繕いもせぬが、故意とならぬ眺はまた格別なもので、火をくれて枝を撓わめた作花の厭味のある色の及ぶところでない。衣透姫に小町の衣を懸けたという文三の品題は、それは惚れた慾眼の贔負沙汰かも知れないが、とにもかくにも十人並優れて美くしい。坐舗へ這入りざまに文三と顔を見合わして莞然、チョイと会釈をして摺足でズーと火鉢の側まで参り、温藉に坐に着く。