Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme

Aozora Bunko

お勢と顔を見合わせると文三は不思議にもガラリ気が変ッて、咽元まで込み上げた免職の二字を鵜呑みにして何喰わぬ顔色、肚の裏で「もうすこし経ッてから」

「母親さん、咽が涸いていけないから、お茶を一杯入れて下さいナ」

「アイヨ」

トいってお政は茶箪笥を覗き、

「オヤオヤ茶碗が皆汚れてる……鍋」

ト呼ばれて出て来た者を見れば例の日の丸の紋を染抜いた首の持主で、空嘯いた鼻の端へ突出された汚穢物を受取り、振栄のあるお尻を振立てて却退る。やがて洗ッて持ッて来る、茶を入れる、サアそれからが今日聞いて来た歌曲の噂で、母子二の口が結ばる暇なし。免職の事を吹聴したくも言出す潮がないので、文三は余儀なく聴きたくもない咄を聞て空しく時刻を移す内、説話は漸くに清元長唄の優劣論に移る。

「母親さんは自分が清元が出来るもんだからそんな事をお言いだけれども、長唄の方が好サ」

「長唄も岡安ならまんざらでもないけれども、松永は唯つッこむばかりで面白くもなんとも有りゃアしない。それよりか清元の事サ、どうも意気でいいワ。『四谷で始めて逢うた時、すいたらしいと思うたが、因果な縁の糸車』」

ト中音で口癖の清元を唄ッてケロリとして