Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

「嘘……あの俗物が、どうして冗談じゃないぜ」

と検事は、いっこうに解せぬ面持だったが、法水は卓上に三つの記号を書いて相手を見た。

「だが問題というのは、あの男が気動を感じたという、貯蔵庫にあるのだ。ところで、ヴィデの大言壮語の中に、ムーンの訓盲字という言葉があったっけね。その、ムーンの文字なんだよ。あの法式の欠点というのは、左から辿っていって次の行になると、今度は逆に、その下の右端から始めるにある。つまり、馴れないうちは、一つの字に二つの重複した記号を感ずるからなんだが、あの時ヴィデの右手には、そっくりその字を読む際と同じ、運動が現われていたのだ。そうすると支倉君、Bim(ムーンの文字「Bim」)の逆を、もしヴィデの真意とすれば、それが Lie(ムーンの文字「Lie」)嘘になるじゃないか。つまり、問わず語らずのうちに、ウルリーケを陥れようとした、邪まな心を曝露してしまったのだ」

「なるほど、ウルリーケはフォン・エッセンの妻だったのだ。しかし、艇長のために盲目とまでなった事を思えば、おそらくあの夜の毒殺だけでは、飽き足らなかったかもしれんよ」

と検事は、ようやく判ったような顔で呟いた。