Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
ヴィデ――その一つの名をようやく捜り当てたいまは、ただ、シュテッヘの上陸を待つのみとなった。
そして、灯を消した闇の中で、二人は凝っと神経を磨ぎ澄まし、何か一つでも物音さえあればと待ち構えていたが、そのうち夜の刻みは尽きて、まさに力の罩もった響が、五つ、時計から発せられたが、その刹那、潮鳴りも窓硝子のはためきも、地上にありとあらゆるいっさいのものが、停止したように思われた。
しかし、二人の面前では、その朝何事も起らなかったかのように見えたが、なお念のために、家族の寝間を覗き歩くうち、ふと朝枝の室の扉が、開かれているのに気がついた。
内部を覗くと、瞬間二人の心臓が凍りついてしまった。
そこの寝台の上には、蝋色をした朝枝の身体が、呼吸もなく、長々と横たわっていたからである。
三、海底の花園
しかし、朝枝はまもなく蘇生したが、それは酷たらしくも、頸を絞められて、窒息していたのである。
しかも、なお驚くべき事には、その扉は、前夜の就寝の際に法水が鍵を下して、いまもその鍵は彼の手の中に固く握られているのであるが、それにもかかわらず、あの不思議な風は音もなく通り過ぎてしまった。