Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

それは、ひとりお悦ばかりでなく、その日が来ることは、一味にも再生を意味するのだった。

と云うのは、大検挙の際、所在不明を伝えられた利得金が戻ってくるのであって、それは三伝が、ある銀行に変名で預け入れてあったのである。それを、一味三人が、とうとう秘し了せてしまったのであって、昨夜成戸六松が、ひさびさで娑婆の土を踏み、いよいよその金が、四年ぶりで陽の目を見る。

今夜は、温かい、黄金の雨が降るであろう――お悦の二重顎がぶるると顫えたが、早苗は、それを聴くと陰気そうな顔で黙ってしまった。

「私はね、分けて貰った金で小商売でもしたいし、当分は身体の方も労ろうと思うの。それよりね、そんな事が、いつまで続くとは考えていないさ。第一、私の身体には、稼がないと脂肪がついてくるんだものねえ。オヤ早苗ちゃん、そんな陰気な顔をして、どうしたっていうんだい」

お悦は、早苗の顔をしげしげと見入っていたが、いきなり吸いかけた莨をポンと捨てて、

「お止し、いい加減におしなよ。お前さんの執念深さにも、つくづく呆れがきたよ。お前さんが、あの人を堕落させて、そのうえ、罪でも犯させて嗤ってやろうという魂胆は、そりゃお父つぁんのことを考えりゃ、けっして無理とはいわないよ。