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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうねん

潤一郎ラビリンスI――初期短編集

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 潤一郎ラビリンスI――初期短編集 (しょうねん) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.319 Zeichen · 84 Bildschirme

Aozora Bunko

もう先からお待ち兼ねでございますよ。さあ彼方へいらっしゃいまし。こう云う卑しい子供達の中でお遊びになってはいけません」

と、親切に手を握られ、私は思わず涙ぐんで直ぐには返事が出来なかった。

床の高い、子供の丈ぐらい有りそうな縁に沿うて、庭に突き出た廣い座敷の蔭へ廻ると、十坪ばかりの中庭に、萩の袖垣を結い繞らした小座敷の前へ出た。

「坊ちゃん、お友達がいらっしゃいましたよ」

青桐の木立の下から女中が呼び立てると、障子の蔭にばた/\と小刻みの足音がして、

「此方へお上がんな」

と甲高い声で怒鳴りながら、信一が縁側へ駈けて来た。あの臆病な子が、何処を押せばこんな元気の好い声が出るのだろうと、私は不思議に思いながら、見違える程盛装した友の様子をまぶしそうに見上げた。黒羽二重の熨斗目の紋附に羽織袴を着けて立った姿は、縁側一杯に照らす麗かな日をまともに浴びて黒い七子の羽織地が銀沙のようにきら/\光って居る。

友達に手をひかれて通されたのは八畳ばかりの小綺麗な座敷で、餅菓子の折の底を嗅ぐような甘い香りが部屋の中に漂い、ふくよかな八反の座布団が二つ人待ち顔に敷かれてあった。直ぐにお茶だのお菓子だのお強飯に口取りを添えた溜塗の高台だのが運ばれて、