Japanische Klassiker mit Furigana
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
Lesen Sie 澪標・落日の光景 (みおつくし) von 外村 繁 (とのむらしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.889 Zeichen · 268 Bildschirme
「しかも優等生の先輩ですものね」
「そうだとも」
「それから、病院との連絡場所は郁ちゃんの勤め先にしておきました」
「そう。じゃ、郁子のところへ電話しておかなくちゃいけないね」
二人は電話のあるところへ行く。妻が電話を掛ける。郁子は昨夜遅く、スキーから帰って来た。
「もしもし、郁ちゃん、母さんね、やはり乳癌だったの。それで入院することになったのでね、郁ちゃん、郁ちゃん、どうしたの、郁ちゃん……」
「どうしたんだ」と言う私に、妻は黙って受話器を渡す。私が受話器を耳に当てると、思いがけず娘の嗚咽する声が伝わって来た。
以来、妻は家にいて、入院の準備をしている。同僚の岡さんから注意を受けたようで、今、妻は敏子を相手に寝巻や、白ネルの襦袢などを縫っている。岡さんは胸部疾患のため、先年、肋骨を八本も切除したという経験者である。入院には、下着も和服型の方が便利であるという。
私は机に向かっている。今日も非常に暖い。私は白い十姉妹を飼っている。その餌が地面にこぼれるので、雀が多く集って来る。今日は外のガラス戸も開いているので、雀が縁の上までやって来て、鳥籠のまわりに落ちている餌を啄んでいる。