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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――

炎の人――ゴッホ小伝――

三好 十郎

Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

おかみ そら、おいでだ。ロートレックさんと、ベルナールさんと、あの奥さんは何とか言ったっけ――

タン モリソウの奥さんだよ、ベルト・モリソウ。綺麗な絵を描く人だ。……(言っている内に三人が店に入って来る。タンギイその方へ寄って行き)これは、いらっしゃいまし、モリソウの奥さん、良いお天気でございますな。

ベルト (やわらかな会釈をして)モンマルトルの丘の上から見ると、空がルリを溶かしたように見えてよ小父さん。パリは今頃が一番ですわね。

ロート (酔っている。タンギイに)やい、詐欺師! また、うまくやりやがったな。どうして巻きあげた、あれは?

タン (相手の口の悪いのには馴れている。微笑しつつ)なんですかな、ロートレックさん?

ロート あのマルチニックさ、ゴーガンの。あれは小さいけどポールが離したがらないでいた奴だ。

タン 良いもんでしょうかね?

ロート へっへへ、しらっぱくれていやあがる。そうだとも、あんな絵は馬鹿か気ちがいでなきゃ描かないんだぞ。ねえベルト。(モリソウは笑っている)ただで貰っても迷惑と言うしろものさ。

タン そうですかな? いや、ゴーガンさんの絵具代が二十五フランも溜っていましてね、どうしても払って下さらないもんですから、しかたなしにあの絵を、ああしてお預かりして置いてあるんですが、なかなか売れないんで