Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Lesen Sie 牛をつないだ椿の木 (かわ) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 75.647 Zeichen · 155 Bildschirme

Aozora Bunko

太郎左衛門はまだ、岩滑のことをよく知らないから、こんなことばも岩滑にはあるだろうぐらいに思って、気にとめなかったのであろう。

「ああ」

と、かれはこたえた。それからまた、赤い花の方を見ながら、

「ぼくのにいさん、あれがすきだったのさ。画家なんだよ」

画家というのは絵をかく人であることぐらいは見当がつくが、じっさいの画家を見たことのない久助君には、こんな話に、なんと返事していいかわからないのである。

「おととしの秋ね、ベロナールで自殺しちゃったの」

自殺というのはじぶんで死ぬことだというくらいは、久助君にだってわかるが、そんなことばを使うものは、久助君のいままでのなかまには、ひとりもいなかったので、ただもう、めんくらうばかりである。

じぶんの家の門の方へまがりかけた太郎左衛門は、なにか思いついたように久助君のところへもどってきて、

「きみ、いいもんあげよう、手を出したまえ」

といった。久助君がもじもじしながら手を出すと、太郎左衛門は、小さい万年筆みたいなものをその上でふった。すると小さいみじん玉がひとつぶ、久助君のてのひらの上にこぼれ出た。太郎左衛門はじぶんのてのひらにもふり出すと、それを口の中へほうりこんで、門の方へいってしまった。