Japanische Klassiker mit Furigana
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ものすごきひとくいばなのかい
物凄き人喰い花の怪
国枝 史郎
Lesen Sie 物凄き人喰い花の怪 (ものすごきひとくいばなのかい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.756 Zeichen · 12 Bildschirme
二
「可能どころではございません。すぐにも運転させましょう……それが必要だと有仰るなら」警視総監が斯う云った。
「絶対に必要でございます」
「それでは市から技師を呼んで運転させることに致しましょう」
斯う言ったのは市長である。
それから間もなく工場内の総ての機械が動き出した。その騒がしい運転の音に博士はまたも耳傾け微動もせずに聞き入った。次第に緊張する博士の顔! それを凝視する人々の顔! その間も鋼鉄の車輪や歯車は、物凄い唸りをブンブン揚げてその運転を続けていた。
と、突然、鋭い声が――誰かに向かって呼びかける声が博士の口から叫ばれた。
「コックニー博士! コックニー博士! あなたは学界の英雄です! そうです確かに英雄です! しかし貴郎の行った事は人情的とは云われません! あなたは貴郎の寵愛物を益々美しく生い立たせるために恐ろしい非道を実行し貴郎自身をもその物のために犠牲にしたではありませんか! あなたは科学界の王者です! しかし貴郎は殺人鬼です」
二
理学界の権威、植物学の大家として世界に其名を響かせていた理学博士のコックニー氏が阿弗利加大陸の探検を了えて自分の故郷のカンタブリア村へ自分の息子のバルビューと一緒に永住の覚悟で移転して来たのは、今から丁度二年前の金雀花の咲く春であった。