Japanische Klassiker mit Furigana
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ものすごきひとくいばなのかい
物凄き人喰い花の怪
国枝 史郎
Lesen Sie 物凄き人喰い花の怪 (ものすごきひとくいばなのかい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.756 Zeichen · 12 Bildschirme
六十を過ごした老博士はよく科学者に見るような冷厳透徹した人格者で人生に対する考えなどには多少冷酷の点があったが、その代わり自分の研究に就いては驚くばかり熱心で何のような人でもその点に関しては非難を加えることが出来なかった。博士が故郷に帰って来たのは老後を養うためでは無くて却って活躍する為であった。それは博士が帰郷するや否や広大な地所を買い入れて其処へ工場を建築して香水製造の大事業を開始したことに依って証拠立てられた。博士は日頃の蘊蓄を傾け香水製造に熱中した。博士の造る香水は植物性の香水でそれの持っている芳香は殆世界無比であった。自然香水の需要を増し工場は漸時隆盛になった。工場は隆盛になったけれどマドリッド市中はその代り拠所ない恐怖に包まれて次第に人心が険しくなって夜も十時を過ごした頃には目抜きの町のAE街をさえ人っ子一人通らないようになった。
女と云わず男と云わず老人であれ子供であれ人間と名のつく生物は「姿の見えない人攫」を妖怪のように恐怖れた。そして全く不心得にもその人攫の怪事件とコックニー博士の行動とを連絡させて考えて、人格の勝れた博士に対し疑惑の瞳を注ぐようになった。