Japanische Klassiker mit Furigana
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ものすごきひとくいばなのかい
物凄き人喰い花の怪
国枝 史郎
Lesen Sie 物凄き人喰い花の怪 (ものすごきひとくいばなのかい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.756 Zeichen · 12 Bildschirme
怪事件というのは他でも無い。マドリッド市民が幾人となく何者にか攫われでもするように市中から姿を隠す事であった。そして其まま永久に家へ帰って来ない事であった。多くの場合それらの人は其時殆言い合わせたようにコックニー博士がその工場か乃至は博士が研究のために母屋や工場を包囲して造り設けた花園かを屹度訪問して居った。訪問したまま夫れ等の人は永久に姿を失うのであった。
しかも事件はそればかりで無くて「姿の見えない人攫」のその恐ろしい血だらけの手はカンタブリア村からマドリッドへまで人の知らない間に延びていた。市民がそれを知った頃には男女取り混ぜ数人の者が市から姿を失っていた。
「誰が一体それらの人をマドリッド市内から取り去ったのか?」市民達は一斉に斯う叫んだが答は何処からも来なかった。そのように答えは来なかったけれど市民達は心では其の犯人を博士であろうと疑った。しかし疑いは疑いに停まって一つも証拠が上らなかったので――それに博士は何んと云っても世界有数の大学者でもあるしリンネ大賞牌の受領者であって人格にも欠点がなかったので、警視庁の方でも博士に向かって手を下だすことは出来なかった。