Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
」
「三年と四月にございます。」
「三年と四月。」
貞時の顔にはなにか怒りのようなものが鋭くあらわれて消えた。三年のあいだ消息を絶っては人はもはやあたらしく婚家のうたげに列なってもいいことに平安朝のしきたりはなっていた。
「そのあいだただの一度も便りがなかったのか。」
「はい、永い春秋はただわたくしには永い永いものでございました。しかしわたくしはそれを待ちぬいていたのでございます。」
筒井は三年が四年になるか四年が五年になっているように遥かな昔におもえた。そしてその頃と何か世界が変っていて筒井自身も変っているように思われた。
「そなたはその御仁が生きていられるとお思いか。」
「生きていられるように思われます。生きていられるから消息がないのだと考えられます。」
「訪ねて見えると思わるるか。」
貞時のこの尋ね方には、行きづまりがあり、筒井にそれをひらいてもらいたい気持がかくされていた。
「きっと一度だけは何時の日かに見えるような気がいたします。」
「その時は何と仰せられるか。」
「その折はその折にございます。お逢いできなければそのままで彼の方をおかえし申します。」
「それを聞いて我ら安堵のおもいがした。