Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
で来る、そうなると一人でいることが莫迦莫迦しくなり、今宵一夜のためにはどういう生涯が間違って出来上っても、そんなことは、どうでもよくなって終うのだ。まして有象無象のかげぐちなぞが、生涯をたたきつけて賭けている人間にとって、何の益がありさまたげがあろう、お逢いして目もくらやみ、心もつかれはてた境に早々に行きつきたいだけでござる。すべてはお身の胸にあってそしてわたくしの胸にもある。何もいわずに今宵だけをおくるためにお身はいられないのか、お身のくるしみは分る、そのあとに何がくるかも分る、お身は里方にわたくしに黙って下がって行きはすまいか、お身のみちはその外にはない、お身はそれをとうに覚悟をしているのだ、お身はまだ羞かしいことを知っているし、その羞かしいものの償いを世の人におくる善良さを持って、それを挨拶として殿中と別れようとしていられる、しかしわたくしは羞かしさをつぐなうことも出来ず、また、それをしようとも考えていない、わたくしには何も彼もうしろに退けてしまった、あるものはお身だけだ。殿中では唯一人わたくしの友というもの、同僚というものがいなくなった、けぶたげな顔付でみな横向きになってわたくしを遣り過して置いて、かげぐちを叩く、それが何でしょう。