Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
生絹はきょうこの男に再度も邂逅することで何やら宿縁に似たものを感じたが、身分のちがいが自然に生絹にあったものか、生絹はだまって遠い生駒の山なみを見ていた。
暫くの後、彼の男はあらためて生絹の前に挨拶に来て、うやうやしく手をついたままいった。
「秋の難波はいかがでござりました。お一人にてお帰りなされた御様子のように拝します。」
「その節はお言葉添えを忝ういたしました。お変りものう。」
生絹はやっと挨拶をしたが、きょうの占う男の顔色は特にはれやかなものであった。生絹はそれが自分を占うていて顔色にあらわれたものと見るより外はなかった。
「しかしよくお尋ねなされました。お心のほどは誰人も銘じて忘れることはござりますまい。難波のことは難波のこと、お身様は永くお仕合わせあるように。」
生絹はあらためて教えを乞うごとき眼差しの弱りを見せていった。
「わたくしはもう京をはなれることがございませんが、それでいいのでしょうか。わたくしの貴方にお聞き申したいことはただ一つそのことでございます。」
「それでこそお身様の落着き先が、おわかりになったと申すものです。きっとそれはお別れになった方の願いでもございましたろう。