Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
それも仕様がない、お前は一日ずつ女になって行くばかりで、おれはそのわかさを趁っかけている、おれの外はみなわかい男ばかりだ、殊に野伏はわかい、野伏はお前のそばに寄りたがっているし、お前は焚火の座でも野伏の向う座にすわるようにしている。おれはお前の細かい気づかいを見ていると一日は永く辛い、袴野はすて姫の手を引いて洞窟にはいって行こうとするが、これには、すて姫は少しもいやがりもしなかった。こう諾かなかったらすて姫のこぼれるわかさを、溶きほぐすすべも、なかったからだ。永い愛撫の時が終った。さすがにすてが洞窟の前の明るい広場に立ったときは、その肉体は隙だらけで柔らかく、もみほぐされてほたついていた。
「いまの内に水あびを。」
「皆のいる間は水あびもさせないのね。」
「皆はそれを見たがるからだ、おれは皆にそれを見せたくない、……」
「あんなに沢山にいる男の眼からどうからだを匿したらいいのさ、歩けば足が出る。暑ければ胸が出る。」
袴野はそれには答えずに、また、手めがねをして眼を旅人の一行から放さない、不思議なことに向うの山峡に突然黒い人間らしい者が、殆どそれは胡麻粒くらいの一行がうごいて、旅人のあとを追うているらしい、向い山のおなじ山稼ぎの貝ノ馬介の追手であった。