Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
わたくしはそれを問ねて見ないあいだは心の落着きをとり入れられませんので、老媼にこう尋ねて見たのでございます。
「卒爾ながら灯びは民家にあるものより大きくはございませんか。」
「お気づきでしたかお姫様、これは夜に都にのぼる旅の衆の心たのみにしているのでございます。しかし夜中じゅう点しているわけではございませぬ。」
「旅人はよく尋ねて見えまするか。」
「はい、三日に一度くらいの割合で道に迷うて尋ねて見えられます。しかしさてあなたさまは?」
老媼は息を入れて森とした眼付で彼女にいった。
「あなた様は永い間往還をゆききしてござったが、あれはおそらく百日のあいだでござりましたな。」
「よくごぞんじでいられる。」
「あなた様がお館をお出になるのがたそがれでござったゆえ、永い間には、もうお顔までおぼえてしまいました。」
「遠目でよくも顔までお見えになられた。」
「それは毎日の夕方ゆえでございました。もうお出になるころだとここの柱にもたれて見渡していますると、きまってお館の戸が開かれました。そしてあなた様はその戸を細っそりとお立ち出でになられました。」
「よく見ていてたまわりました。