Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
それに、間もなく宮仕えに発たれるあなたさまに、誰が何を申しましょうぞ。」
「では固く塩して?」
「はい。」
妻の筒井が白い菜をかかえて去ったあと、彼は手にふれた白い菜の冷たいゆたかさをたなごころに再び感じた。誰があんな美しさを辞退することが出来よう、花もそうであるし、こがねいろをしている橘の実もそうであった。きしむような白い菜の幅の広い茎は妻のただむきのように美しかった。決して辞退できるものではない、彼は蔀の破れから、もうもうとこめる秋夜の月を眺めやった。
宮仕えすればいまより収入があり毎月妻の筒井に送り、筒井はその黄金で衣裳をととのえ、一年も経てば夫は都から迎えに来るはずだった。四条五条の秋色はどんなに華やかなものかも知れない、築地の塀をめぐらし、中の島をしつらえた広大な庭に、彼は好む樹木を配して子供の時からの庭が作って見たかった。袿を着けた妻は、几帳の陰で長い黒髪を解いて匂わすであろうし、筒井にそういう高い生活をあたえれば直ぐにも美しくなる、彼のそんな考えは妻を可憐とも美しいとも、いいようのないものに思わせた。筒井の持つ宝物のようなからだは、誰にくらべても、見劣りのするものではなかった。