Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
それは母が大病のときにおん命おとどめくださるようなれば、神仏へのおん礼のしるしとして三年のあいだ、殿方にまみゆることなきをおことわりしてあるのだと、お身様にまいる前のことを申して、貞時様のお心をしばしとどめているのでございます。貞時様の申されるようにはそのような心ざしを持たれるからには、なおのことわが願いをかなえてくれるよう、あと一年の春秋は決して遅いとは思わぬと仰せられ、わたくしへの熱い心をじっと抑えておられるのは、見ていても悲しくおつらいことに思われます。あと一年くらいはすぐに経ち、お身様のお便りがなければそのまま何時までもお待ちする心でいても、世のさだめには勝つことができませぬ。女はただの一日一刻のあいだにもその運命がどう変るかも分りませぬし、変るものもさだめのつねのようにおもわれます。お身様、みやこに上られてから四百何十日のあいだにお文おかきあそばすひと時もなかったとは、よもやお身様も仰せられぬでございましょうに、絶えてお便りなきはお心のすみにあるわたくしのことも、やや忘れがちな日々、忘れるでもないようでそれほど深くは心にとどめていられぬ日々もあったように思われます。