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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme

Aozora Bunko

――ただそのための策略なのであった。

自分の身なりがあんまり悪い。で玄関から民弥に対し、表立って面会申し込んでは、宿の者に異様に思われようもしれない。

で、そういう策をとったのであった。

その猫の蚤をとってしまうと、フラリと兵庫は往来へ出、家蔭にかくれて待っていた。

と、はたして民弥の姿が、宿の門口からあらわれた。

ここじゃというように兵庫は手を上げ、知らぬ顔をして先へ進んだ。

すぐに民弥が追いついた。「女中どもが猫の蚤とりじゃと、面白そうに話すのを聞き、さてはご貴殿所用あって、拙者を呼ぶものと存じましてな」

こう民弥は囁くように云った。

「カンがよろしい、そのとおりでござる」

と、兵庫も小声で囁くように云った。

「で、お変わりはござらぬかな? ……宥免状は依然として、人形の胸の中にあるのでござるか?」

「は、さようにございます」

「梶子という女にも変わりはござらぬか?」

「は、変わりござりませぬ」

「物騒の女らしい、油断なさるな」

「決して油断いたしませぬ」

「人形の胸より宥免状を、どうともして貴殿の手に入れねば、何んとはなしに不安でのう」

「は、御意にございます」