Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
「申し入れたき一議ござって、志水但馬、加藤源兵衛、二人揃って参上いたした。ついては佐原嘉門殿に、是非密々に、御意得たい」
と、このように申し込んで来た。
「承知いたしてござる」
と嘉門は答えた。
間もなく但馬と源兵衛とが来た。
それを嘉門は奥の座敷へ通した。
それから縁へ引っ返して来、
「鵜の丸殿」
と兵庫へ云った。
「どのようなこと申し入れるものか、とにかく拙者瀬踏みとして、一人で面会いたしてみましょう」
「それは結構にござります」
「が、貴殿におかれても、隣室において話の始終を、是非ともお聴き取りねがいたいもので」
「よろしゅうござる、そういうことにしましょう」
――そこで嘉門は奥の座敷へ行き、兵庫は隣室へこっそり行き、襖の傍に端座した。
嘉門と但馬とは顔馴染であった。
「これはこれは志水様、わざわざのご光来、光栄至極、嘉門お礼申し上げまする」
坐ると嘉門は丁寧に辞儀をし、そう云ってかしこまった。
「アッハッハッ、いやはやどうも……」
郡奉行というような者は、老獪で策略に富んでいた。で、但馬もその通りで、なかなかの老獪の男であった。
まずそんなように笑いかけ、不得要領の挨拶をした。