Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
……彼らが承知いたせば和じゃ、反対いたさば戦いじゃ」
「これはごもっともに存じまする」
「彼らといえども馬鹿ではない、わしからさよう申し入れたならば、おおよそは聞いてくれるであろうよ」
その翌々日のことであった。上村の湾から紀州の御座船が、和歌山さして帆をあげた。
姉小路卿、萩丸様、梶子に菊女に兵庫に民弥とが、胴の間のお座敷に座を占めていた。
「これはいずれもわしのお友達じゃ」
こう例によって砕けた調子で、紀州藩士たちに姉小路卿は、兵庫達を紹介した。
藩士たちは前後の事情から、その者たちの何者であるかを、うすうす知ってはいたけれど、姉小路卿にそう云われては、どうすることも出来なかった。
天気はよく海は穏かで、やがて御座船は和歌山の港へ、つつがなく無事に到着した。
こうして数日が経過した。
と、この頃から和歌山お城下に、不思議な辻斬りが行われ出した。ある時には浪人姿で、またある時には乞食姿で、一人の男が道を歩いてい、向こうへ行く人を追い越して、振り返りざまただ一刀に、相手の者を斬り仆し、物を奪うという辻斬りであった。
うしろ斬りの無双の悪剣!
――で、和歌山の藩士たちは、切歯して口惜しがり、どうぞしてそいつと巡り逢い、討って取ろうとひしめいた。