Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
、介抱されているという姿であった。
「おッ、そなたは!」
と思わず叫び、疲労と恐怖とで今も全身が、衰弱し顫えているその全身を、娘の方へいざらせた。
「娘じゃ! 娘じゃ! あの時の娘じゃ!」
「萩丸様!」
と菊女は云い、気の毒そうにまた不愍そうに、萩丸の顔を見守ったが、
「さぞまアお驚きでございましたでしょう! ……もう大丈夫でございます! この菊女が身に代えて、お守りいたすでござりましょう。……二度とふたたび恐ろしい、虫部屋などへはお入れしませぬ」
「菊女? そうか、菊女というか! ……菊女よ菊女よわしはどんなに、どんなにそなたのことを思っていたか! ……虫部屋! おおおお恐ろしい! ……生まれてはじめての恐ろしさ! ……もう充分だ、二度とは厭だ! ……二度とあのような目に逢おうものなら、わしは死ぬだろう、きっと死ぬ! ……菊女菊女助けておくれ! この屋敷からわしを逃がしておくれ!」
まだ十八歳の少年であった。
少年らしく萩丸は叫んで、姉のような菊女の腕へ縋った。
それを引き寄せその体を抱き、やさしく菊女は締めてやったが、
「何んのあなた様を二度とふたたび、あのような所へ入れましょう。