Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうさいかていえんまんじゅつ

猿々合戦

小野 佐世男

Lesen Sie 猿々合戦 (きょうさいかていえんまんじゅつ) von 小野 佐世男 (おのさせお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.526 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

帰ると玄関を入るなり、

「危なかった!」

女房はおころうとするんだが、

「どうかしたんですか」

と、思わずいうと、

「いま自動車にひかれそこなった」

しかしいくども使ったんで失敗に終った。結局ウソをつくということはいけないんで、女房と家庭の間にはウソがあっては悪い。私の経験上、女房というものは絶対にだまされないものだ。これはどこの家庭でも絶対なもので、もしか自分の妻を生涯だましおわせるという人があったらこれは大悪人、絶対に最悪の奴に違いないとボクは思うんです。

それからいたわりがカンジンです。家庭が冷たい家には亭主がなかなか帰らない。滋味のある生活です。私は結婚するのに酒は飲んでもいいが、フグを食べることだけはやめてもらいたいという条件が入りました。一年経ちまして、ある雪の降る日に女房が私と歩いていた。フグの提燈が下っている。ボクはフグが大好きで、雪が降ると毎日食べていた。思わずフグ提燈を見ていたら、女房に、

「いかがです。今夜はフグを食べましょうか」

と、いわれた。ホントにボクは心が温まる心持がした。家内というものはそういういたわり心というものが旦那としてはすばらしい魅力になってくる。