Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.557 Zeichen · 426 Bildschirme

Aozora Bunko

あなたの泳ぎは私を溺らさないで引張って行って下さるだけ、上達の見込がありますか。私のは気合語学だから、顔を見てエイヤッとやれば用は足りていたけれど、困ったものね。これは真面目な話よ。お考えおき下さい。小説を書くのには語学はたいして必要でもないように思えたが、評論の仕事ではもうその必要が判って来ます。他の専門なら大人らしい仕事に入るやいなや、必要の差迫ることでしょう。日本の文学者が少し語学が出来ると、すぐ種本漁りをするのを軽蔑したりする気持もあってね。然し、私は語学向きのたちではないから弱ります。サンドの作品は訳されているのはあれだけです。ところがこれからは岩波文庫で増刷するのは、『古事記』や何かの他は『即興詩人』と『ファウスト』、位なものだそうです。ほかの文庫類もその標準で無くなって行く様子です。想像出来ないようでしょう?

文庫が数冊あれば食べてゆけたと云った時代、M・Yのように金持にまで成った男は呆然として消え去る財源を見守るでしょう。作家がちゃんとした仕事をして、ちゃんと暮せると云うのは理の当然だけれども、作家になって成り上ると云うのも何だか少し変な気がするわね。