Japanische Klassiker mit Furigana
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うまれいずるなやみ
生まれいずる悩み
有島 武郎
Lesen Sie 生まれいずる悩み (うまれいずるなやみ) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.587 Zeichen · 100 Bildschirme
しかしそれがなんという快さだろう。
しかし君の家が近くなるにつれて妙に君の心を脅かし始めるものがある。それは近年引き続いて君の家に起こった種々な不幸がさせるわざだ。長わずらいの後に夫に先立った君の母上に始まって、君の家族の周囲には妙に死というものが執念くつきまつわっているように見えた。君の兄上の初生児も取られていた。汗水が凝り固まってできたような銀行の貯金は、その銀行が不景気のあおりを食って破産したために、水の泡になってしまった。命とかけがえの漁場が、間違った防波堤の設計のために、全然役に立たなくなったのは前にも言ったとおりだ。こらえ性のない人々の寄り集まりなら、身代が朽ち木のようにがっくりと折れ倒れるのはありがちと言わなければならない。ただ君の家では父上といい、兄上といい、根性っ骨の強い正直な人たちだったので、すべての激しい運命を真正面から受け取って、骨身を惜しまず働いていたから、曲がったなりにも今日今日を事欠かずに過ごしているのだ。しかし君の家を襲ったような運命の圧迫はそこいらじゅうに起こっていた。軒を並べて住みなしていると、どこの家にもそれ相当な生計が立てられているようだけれども、一軒一軒に立ち入ってみると、このごろの岩内の町には鼻を酸くしなければならないような事がそこいらじゅうにまくしあがっていた