Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばんちょうさらやしき

番町皿屋敷

岡本 綺堂

Lesen Sie 番町皿屋敷 (ばんちょうさらやしき) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.494 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

勘当しても甥は可愛い。今までのことはともかくも、この上に恥を重ねぬ分別が肝要と、わたしが知慧を貸しに来ました。白柄組の頭と頼む水野殿が亡びた以上、お身達とても安穏では済むまい。何かの御咎めのないうちに、いっそ見事に腹を切りゃれ」

播磨はやはり黙って聴いていた。

雨はまだ歇まなかった。伯母の帰ったあとで、播磨は切腹の支度に取りかかった。夜はもう五つ(午後八時)を過ぎたらしい。庭先の遅い桜が雨に打たれて、あわただしく散るのが、座敷から洩れる灯の光に薄白く見えるのを、播磨は筆をおいて眺めていた。彼は自分の支配頭にあてた一通の書置をしたためているのであった。黙って自滅しては乱心者と見られるのも口惜しいので、彼は自分の死ぬべき仔細を詳しく書いた。

書いてしまって、彼は暗い庭を見た。濡れた柳は長い髪を垂れた女のように、井筒の上に低く掩いかかって、うす暗い影を顫わせていた。播磨はじっとそれを見つめていると、井戸の中から青白い火が燃えあがって又すぐに消えた。雨は少し強くなって来て、柳のかげが大きく靡くように見えたかと思うと、青白い火が又燃えた。彼は眼を据えて見つめていた。