Japanische Klassiker mit Furigana
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 白髪鬼 (はくはつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.046 Zeichen · 224 Bildschirme
アア、そうであったか、忠義者のお豊でさえ、見限る程の悪党だ。何で天が見逃して置くものか。神様はわしという人間の心に宿って、恐ろしい天罰を下し給うのだ。
そこでわしは、罪を悔いているお豊を慰め、持っていた財布をはたいて、国へ帰る旅費なり、帰ってからの生活費なりにしてくれと多額の金を与え、一日も早くこのいまわしいS市を立去る様悟して、彼女と別れた。
お豊はわしが大牟田敏清であることは信じていない様子だ。その人は確に死んでしまったのだし、仮令どうかして生きていたとしても、本当の大牟田なら、何も覆面などする必要はない筈だから、彼女が小暗い森の下蔭で、人間ではない、大牟田の死霊かなんぞに出会ったと迷信していたのは決して無理ではない。わしの目的にとっては、却ってその方が好都合なのだ。
さて、わしは愈々姦夫姦婦の大秘密を握った。土の中の赤ん坊。何というすばらしい武器だろう。わしはこの絶好の武器を思うさま利用して、憎みても余りある二人の大悪党を、こらしめなければならぬ。
わしが志村を大阪へやって、例の奇怪な実物幻燈と、壜詰の赤ん坊を手に入れる様に命じたのは、それから三四日あとのことであった。