Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 白髪鬼 (はくはつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.046 Zeichen · 224 Bildschirme
噂に聞けば瑠璃子夫人は、非常に貞節な方だというではないか」
と、わしがとりなすと、親爺はかぶりを振って、
「ところが、どうして噂と真実とは大変な違いです。私は丁度あの日町を通りかかっていて、バッタリ大牟田様の葬式の行列にぶッつかったのですが、物のはずみで、奥方の乗っている車の梶棒が私の腰にあたって、私はそこへ転がされてしまったのです。行列の側にウロウロしていたのが悪いと云えばそれまでですが、老人が倒れたのを見れば、一言位挨拶があっても然るべきではありますまいか。車夫は気の毒そうに私を見て、車を止めようとした位ですが、奥方は、あの美しい顔でニッコリ笑って、車を止めさせず、そのまま行ってしまいました。
私が倒れて、痛さに顔をしかめているのを、車の上から見おろして気味がいいとでも云う様に、ニッコリ笑ったのです。アア、あの笑顔。私はゾッとしました。私の女房も丁度あの通りの笑顔をする癖があったのです。まるで女房の幽霊に出会った様な気がしたものです」
老主人は云いながら、さもさも恐ろし相に、身震いをした。
わしはもう、このいまわしい気違い親爺の話を聞くに耐えなかったので、そのまま古着屋を飛出したが、どうも気になって仕様がない。