Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくあしちがい
百足ちがい
山本 周五郎
Lesen Sie 百足ちがい (ひゃくあしちがい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.491 Zeichen · 56 Bildschirme
こういうかと思うと、また恍惚としたような眼で彼を見あげ、躯じゅうが恍惚となったような声音でいった、「わたくしたち、もう身も心も、ぴったりといっしょですわねえ」
こういう表現はどちらかというと穏やかでない。又四郎としてはできるだけ無邪気な角度でうけいれることに努めているのだが、それでもかなりたじたじとならざるを得なかった。
――だがもう暫くの幸抱。
彼はこう自制した。勤番の期限はもうすぐに切れる、もう少しの辛抱。それまでは事を荒立てる必要はない、相手もまだわけのわからぬ娘のことであるから、……こう思っていたのであるが、驚いたことには、二十九歳になる藩主の側へあげられ、御用係心得を命ぜられた。これは妙な人事であった。その藩の職制によれば、勘調所出仕は奉行役方面へ進む筈で、御用係はまったく系統外れである。……彼としてはかなりな失望であった、もしかすると人ちがいではないかと思い、辞令の出たとき当該老職にきいてみた。
「うん、わしもその点ちょっと気になるのだが」梅永千助老も腑におちないような顔をした、「しかしともかくも、これは上意である、うん、上意であるからには、そこは、その、そこはともかくお受けをして、万一その間違いであったならばだ、そのときはまあそのとき……わしもたぶん殿のお考えちがいだろうとは思うが、まあしようが