Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくあしちがい
百足ちがい
山本 周五郎
Lesen Sie 百足ちがい (ひゃくあしちがい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.491 Zeichen · 56 Bildschirme
五
「いいえなんでもございませんわ」みつ枝はやさしい眼で彼を眺めた、「来年は参覲のお暇ですから、あなたも殿さまのお供で国許へお帰りになりますわね、そのときその方を訪ねていらっしゃいませ、わたくしにはおよそ想像ができますけれど、……でもあなた御自身で、その方がどうしていらっしゃるかごらんになるがいいと思いますわ」
「ええそれは、それは必ず訪ねます」又四郎はかなりはっきりと頷いた、「ほかにも用のある人間がいるんですから」
五
「ほかにもって、……まだ約束した方がいるんですの」
「いやそうではないのです、まるで違う、その、……要するにですね、三年まえの、……いろいろと、……しかしこれはまたあとで話します」
「どちらでもお好きなように」みつ枝はこういって艶然と微笑した、「それから、申上げておきますけれど、……まちかねさまがどんなになっていらしってもですわね、江戸にはわたくしがいるということを、お忘れにならないで下さいまし」
「はあ、それは、うう……承知しました」
「きっとでございますよ」
彼女は一種の動作を起こそうとしたが、それをやめて睨むだけにした。ことによると松家おかね嬢と同一の行動に出ようとしたのかも知れない。