Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくあしちがい
百足ちがい
山本 周五郎
Lesen Sie 百足ちがい (ひゃくあしちがい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.491 Zeichen · 56 Bildschirme
それひと間きりの部屋はぼろとがらくたの山で、その中に三人の幼児が撲りあったりひっ掻いたり、泣いたり喚いたりしていた。饐えたような、云いようのない不愉快な匂いが充満し、崩れたような壁の向うでは、酔った男がわけのわからないたわ言をだみ声で叫びちらしていた。
「人の面倒はみておくもんだ、おれはおまえだけには出来るだけの尽力をしたからな」左馬之助はなお続けて云った、「――ときに金を少し貸して呉れないか、一両、いや三両くらいあればいい、じっさい、こんこんこっほん、いやじっさいあの頃はお互いにむちゃな事をしたものさ、ああ、……まったく愉快だった、おまえのためにはおれは、ずいぶんと散財した、こんこんこん、……三両なければ、二両でも、いいんだが、一分でも、……あとは次でいい、とにかくおれはおまえだけは親友だと思っているんだ、……じっさい今でも忘れないが、おまえの云ったことさ、うっ、……困ったらきっと駆けつける、簡野には世話になったからな、ってさ、……うれしい、おまえおれを泣かすぞ、……金は今は一分でもいい、あとはいつでも、なるべく早いほうがいいが、……おれは親友の情だけにはまだ、失望していない」