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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひゃくあしちがい

百足ちがい

山本 周五郎

Lesen Sie 百足ちがい (ひゃくあしちがい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.491 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

のところをどうかひとつ、へい」

又四郎は黙って苅賀の門を出た。

――信じられない。

あれほどの大言壮語、胆力そのもののようなあの豪傑笑い。あれだけの男が果し合を恐れて逃亡する、家財を売りとばし、下僕の眼をさえ忍んで、妻子と共に夜逃げをする。

「――いやいや、おれには信じられない」道を歩きながら独りで又四郎は頭を振った、「――これにはなにかわけがあるのだ、なにか」

だが彼は信じないわけにはいかなかった。苅賀由平二が出奔したということは、忽ち家中一般の評判になり、その原因について根もないような話が次から次へと伝わった。

又四郎はひそかに溜息をついた。

――なんということだ。

溜息をついては浮かない顔をしていた。けれども考えてみるに、これで五年来の懸案はきれいに片がついたわけである。憂鬱になる理由は少しもなかった。そこでようやく肚をきめ、本条町の松家邸へおかね嬢を訪ねたのであった。……松家加久平はまえに亡くなって、今は長男の加久平が家を継ぎ、末席の老職を勤めている。

「やあよくみえられた、どうぞお通り」加久平は自分で玄関まで出迎え、自ら客間へ導き、茶菓を命じ、対坐するまで饒舌り続けた、「こんどはたいそうな出世で、まあ当然のことではあるが、少しは遅すぎるかもしれないが、俗に大器晩成ともいうくらいで、こちらでも内々は