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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひゃくめんそうやくしゃ

百面相役者

江戸川 乱歩

Lesen Sie 百面相役者 (ひゃくめんそうやくしゃ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.801 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

近頃は一向流行らないが、探偵劇というものも悪くないね、この怪美人には座頭の百面相役者がふんした。怪美人は警官その他の追跡者をまく為に、目まぐるしく変装する。男にも、女にも、老人にも、若人にも、貴族にも、賎民にも、あらゆる者に化ける。そこが百面相役者たるゆえんなのであろうが、その変装は実に手に入ったもので、舞台の警官などよりは、見物の方がすっかりだまされて終うのだ。あんなのを、技神に入るとでもいうのだろうね。

僕がうしろの方にしようというのに、Rはなぜか、土間のかぶりつきの所へ席をとったので、僕達の目と舞台の役者の顔とは、近くなった時には、殆ど一間位しか隔っていないのだ。だから、こまかい所までよく分る。ところが、そんなに近くにいても、百面相役者の変装は、ちっとも見分けられない。女なら女、老人なら老人に、なり切っているのだ。例えば、顔のしわだね。普通の役者だと、絵具で書いているので、横から見ればすぐばけの皮が現れる。ふっくらとしたほおに、やたらに黒い物をなすってあるのが、滑稽に見える。それがこの百面相役者のは、どうしてあんなことが出来るのか、本当の肉に、ちゃんとしわがきざまれているのだ。