Japanische Klassiker mit Furigana
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ふくざわゆきち
福沢諭吉
高山 毅
Lesen Sie 福沢諭吉 (ふくざわゆきち) von 高山 毅 (たかやまつよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.555 Zeichen · 109 Bildschirme
「ほんとうは、お母さんは元気ですから、けっして心配するな。」
とかいてやったのでした。
これをよんだ諭吉のむねは、いかりのために、ばくはつしそうになりました。
(なんというひきょうなわるぢえだ。よしっ、この手紙をみせて、壱岐をとっちめてやろう。)
と、いちじはかっとなりましたが、
(いやいや、まてよ。いま、ここでけんかをしたところで、身分がちがうから、こっちがまけるにきまっている。それに、壱岐だって、それほど悪人ではないのだ。)
と、ぐっとがまんをしました。
(けれども、こういうことをきいては、この長崎にもいたくない。お母さんがお元気なんだから、中津へかえることもない。どうすればよいか。)
と、さんざんにかんがえこんだすえ、
(そうだ、江戸へいこう。江戸にも、りっぱな先生がおられるはずだ。)
こう決心した諭吉は、なにもしらないふりをして、壱岐のところへ、おわかれのあいさつにいきました。
「じつは、中津のいとこから、母がきゅうに病気になったから、すぐかえってくるようにとしらせてまいりました。ふだんは、いたってじょうぶなほうでしたが、わからないものです。いまごろはどういうようすでしょうか。