Japanische Klassiker mit Furigana
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ねぎさまみやた
禰宜様宮田
宮本 百合子
Lesen Sie 禰宜様宮田 (ねぎさまみやた) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.662 Zeichen · 68 Bildschirme
東北の農民に共通な四角ばって、頬骨の突出た骨相を彼も持ってはいるのだけれども、五十にやがて手が届こうとしている男だなどとはどうしても思えないほど若々しく真黒な瞳を慎ましく、けれどもちゃんと相手の顔に向けて、下瞼の大きな黒子を震わせながら、丁寧に口を利く彼の顔を見ると、誰でもフトここらでは滅多に受けない感じに打たれる。
大変ものやわらかに、品のいいような快さを感じるとともに、年に似合わない単純さに、罪のない愛情を感じて、尨毛だらけの耳朶を眺めながら自ずと微笑まれるような心持になるのである。
禰宜様宮田は至って無口である。
どんな諷刺を云われようが、かつて一度も怒ったらしい顔さえしたことがないので、部落の者達は皆、
「ありゃあはあ変物だ」
と云う。その変物だという中には、間抜け、黙んまり棒、時によると馬鹿かもしれないという意味が籠っている。
真面目に働いても利口に立ちまわれないから、女房のお石が桑の売買、麦俵のかけ引きをする。彼女がするようにさせて、一口の小言も云わないので、お石は大抵の場合彼の存在を念頭に置かない。たまに、彼女の口から、
「とっさん」
という言葉が洩れるときは、きっと何か仕事がうまく行かなかったときとか、気がむしゃくしゃして、腹を立ててやる相手が必要なときに限られているといっても、決してそれが誇張