Japanische Klassiker mit Furigana
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ねぎさまみやた
禰宜様宮田
宮本 百合子
Lesen Sie 禰宜様宮田 (ねぎさまみやた) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.662 Zeichen · 68 Bildschirme
ある。
台所の土間に土下座をするようにして、顔もあげ得ずまごつきながら、四俵のはずのところを二俵で勘弁してくれと云う禰宜様宮田を、上の板の間に蹲踞んで見下していた年寄りは、思わず、
「フム、フム」
とおかしな音をたてて鼻を鳴らしたほど、いい御機嫌であった。
いくら平気でいるように見せかけても、あらそわれない微笑が、ともすれば口元に渦巻いて、心が若い娘のようにはねまわった。
彼女の計画はこうなって来なければならないのだ。
こうなると、ああなって、そういう風にさえなると……。
いろいろな意味において快く承知した年寄りは、負けてやる二俵分を現金に換算して禰宜様宮田に借用証文を作らせながら、ちょうど若い人がこれから出来ようとする気に入りの着物の模様、着て引き立った美くしい自分の姿及び驚きの目を見張るそんな着物を作られない者達のことごとを想像する通りに、そわそわと弾力のある心持で順々に実現されて来る計画に心酔したようになっていたのであった。
それから三年の間、膏汗を搾るようにして続けた禰宜様宮田の努力に対して、報われたものはただ徒に嵩んで行く借金ばかりであった。