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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(一)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(一) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 246.214 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

だから都や鎌倉では、

大江時親

で知られている。

生地は越後だ。同国佐橋郡ノ南条の守護、毛利経光の四男である。少壮から変り者の方だったらしい。

しかし、六波羅の評定衆に加えられ、その才はほどなく、鎌倉の執権代長崎高資の一族泰綱にみとめられた。そして泰綱のむすめを妻に娶った。まぎれもない彼は北条眷属の一人であった。

ところが。

這般の事情はよく分らないが、六波羅の職はまもなく辞めてしまった。鎌倉住居は性に合わぬといって、鎌倉にも行かず、越後の本領は、長兄が継いでいるので越後にも帰らない。都の片すみで、四十代から浪居してしまッたので、自然世間もこの変屈者を、いつか忘れ去っていた。

しかし、ただの変屈か、いまの世にあきたらない慨世の人か、それとも生来、清隠を好んで世俗の塵埃をいとうだけの者か、その辺の心事は、当人のほかは誰も知らない。

とにかく、その時親が、この南河内川上郷の奥へ引き籠ったのは、もう二十何年も前からであった。古さからいっても、土着の人と変りはない。そのうえこの辺は、彼の父祖以来の領所(飛び領)であった。ひどい山間で収入はろくにないが一隠居の生活には余りがある。