Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(三)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(三) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 222.108 Zeichen · 446 Bildschirme
護送使の任には、手勢どれほど率いて行く気か」
「千葉、小山、自分をあわせて、兵五百。小荷駄一小隊の予定だが」
「それや、あぶないものだ。少なくも千以上は引き具して行くがいい」
「なぜ」
「先頃来、宮方臭い者が、続々、堺ノ浦から山陽方面へ移動しているそうな」
「ふうむ」
「のみならず、備前の住人児島高徳らが、それと結んで、中国山脈の要地に待ち伏せ、隠岐送りの龍駕を襲って、先帝を奪い回さんと目企んでいるとも聞いた」
つい今し方、柳斎の右馬介へは「誰にも洩らすな」と口止めしていた一事を、高氏は、道誉にはみな告げてしまった。いかな道誉も、この好意は、恩とも感じるであろうと、自分なみに相手を量ったものである。
ところが道誉は、けらけらと笑い出した。その手は食わないといわぬばかりだ。しかし失笑を洩らしたのは、よくないと思ったらしい。俄に顔をあらためて、いんぎんに頭を下げた。
「ご注意、かたじけない。だがの高氏どの。広言には似たれど、山波の彼方の旅路で、やみやみ山家武者の待ち伏せに陥る道誉でもないつもりだ。お案じあるなよ、策なきにしもあらず、いずれ帰洛の後、あらためて御見に入ろう。