Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme
国家の名で戦った勝者と勝者との、分けまえ争いも、ひとりの女を捕えて身の皮を剥ぎ、その分け前で、仲間争いを演じ出す野盗山賊のつかみ合いも、何と大した違いはないものか。
後醍醐のご理想も。
新政府の新政第一歩も。
まずはこのおなじ轍を踏みはずさない人間通有の欲の目に迎えられ、武士大衆は公然、ごうごうと不平を鳴らしだした。
「これが、ご新政というものか」
「いやもうガッカリだわえ」
「日本全土は、おれどもの力で取ったものじゃないか」
「何で公卿だけの力で、北条の世が仆せたろうぞ。おれどもの取った土地ゆえ、おれどもへまず充分に分けるべきを」
「さはなくて、恩賞の、やれ綸旨のと、事々しく、端クレばかりくれくさる」
「いや、過小でも、貰ったほうは、まだいい方だ。いまだに、沙汰なしの者すら多いぞ」
野性の言いかたは露骨で、わざと堂上へもとどけとばかり、声を大にして言いつのる。――「神皇正統記」の筆者、北畠親房は、この状をみて、大意、こんな風に書いた。
大かた、おのれ一身は
みな功をほこるなれど
君は万姓の主なりとて
日本六十余州
限りある土地を分かたむには
いかにせむ
もし一国づつを人望まば