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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme

Aozora Bunko

ざりまする」

「尊氏が?」

「はい」

「余人だろう、人ちがいに相違あるまい」

「いや、車副の三十余騎、徒士百余人、いずれも日ごろ見る足利党の者どものよしで」

「たしかなのか」

「たしかだと言いまする」

「不敵なやつ!」

宮はお唇を噛んだが、

「いや待て。……足利方でも覚っていないはずはなかろう。いかに彼が大胆なればとて、悠々、敵中を通るなどは考えられん。――察するに、車の内は尊氏ならぬ偽者だな。わざと、こなたの手出しを誘い、それを合図に、また口実に、一せい市街から大内へまで、なだれ込まんとする憎い狡智だ。そう思わぬか」

「ご明察。てまえにも、たぶんそれかと思われまする」

「うかと、かかるな良忠。すぐ諸方の味方へ伝令しておけ」と、命じてから、

「おれもすぐ表書院の陣座へ出る。そちもまた、早くせい」

と、殿ノ法印を追い立てた。そして宮は一たん奥へもどって妃のお給仕で食膳につき、また装いも腹巻にかえて、おもての陣座とする一殿へ出て行かれた。すると、そこには早や第二、第三の情報が逆に宮の判断をさっきからお待ちしていた。

情報はまちまちだった。

尊氏の参内は、

「不時のお召によるもの」